プロフィール
食品3Dプリンティングなどの技術を用いて食品の内部構造や成分の配置を変え、味や食感を設計する方法を研究しています。食品の外観を保ちながら内部に情報を埋め込む研究にも取り組んでいます。
専門は人とコンピュータの関わりを扱う HCI(ヒューマン・コンピュータ・インタラクション) で、特に人と食との関わりを対象とする Human-Food Interaction を研究しています。
現在は 埼玉大学大学院理工学研究科の博士後期課程に在籍し、 Parinya Punpongsanon准教授のもとで研究を行っています。2024年10月から JST ACT-Xの研究代表者を務め、2026年4月からは日本学術振興会の特別研究員(DC2)としても研究に取り組んでいます。
研究成果は ACM UIST・ACM DIS・SIGGRAPH Asia・IEEE VR などの国際会議で発表しており、IEEE TVCG・Frontiers in Nutrition・Applied Food Research などの学術誌にも掲載されています。
研究内容
食品の内部構造や成分の配置は味や食感に影響します。食品3Dプリンティングでは層ごとに造形することで外から見えない内部構造も制御できるため、この特性を利用して次の三つの課題に取り組んでいます。
1. 食品への情報の埋め込み
食品にラベルやコードを貼ると外観が変わり、おいしさの感じ方にも影響する可能性があります。そこで外観を保ちながら情報を記録できるように、食品内部の空隙に情報を埋め込む手法を開発しました。
3Dプリント時に内部を充填する箇所と空隙を残す箇所を指定し、その配置を符号として用います。読み取る際は背面から光を当てて食品を撮影し、画像処理によって内部の符号を識別します。産地・原材料・アレルギー情報などを食品自体に記録する用途を想定しています。
interiqr と EateryTag でこの手法を検討し、成果を ACM UIST および Frontiers in Nutrition で発表しています。
2. 味の空間的な設計
食品内部の成分分布を制御して場所ごとに味を調整するために、造形中に層ごとに調味料を噴霧する手法を提案しています。
液体調味料をエアブラシで霧状にして層間に吹きつけ、噴霧する位置と量を変えることで味の濃淡や配置を制御します。これにより食べる位置によって味が変わる食品を作製できます。
TastePrint でこの手法を検討し、成果を学術誌 Applied Food Research で発表しています。
3. 食感の設計
食品の内部構造が硬さや弾力などの食感に影響することを利用して、同じ材料から異なる食感を持つ食品を作製する手法を研究しています。
最初のひと噛みとその後の咀嚼では知覚する食感が変わるため、各段階の食感に対応する内部構造を調べています。その知見をもとに咀嚼中の食感の変化を設計し、咀嚼や嚥下への配慮が必要な方に向けた食品への応用や代替食品のおいしさの改善を目指しています。
ChewTect でこの手法を検討し、ACM DIS 2026 で Best Paper Honorable Mention を受賞しました。
プロジェクト
学歴・経歴
学歴
博士後期課程
埼玉大学
修士(工学)
大阪大学
2022
学士(工学)
大阪大学
2020
準学士(工学)
明石工業高等専門学校
2018
経歴
学会活動
査読
- ACM SCF (2026)
- ICXR (2026)
- IEEE VR Workshop (2025, 2026)
- ACM CHI (2025, 2026, 2027)
- ACM UIST (2025) (1 Special Recognitions for Outstanding Reviews)



